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そこに物というものは存在しない。何故なら、空間が無いから。。。
空間が無いのだから、そこに物が存ることが出来るスペースが無い、ということである。
そして空間が無いのだから物音、というものがあるはずが無い。物が無いのだから。
そして空間が無いのだから何かが見える、ということがあるはずが無い。見るものも、見る目すらも無いのだから。
しかし、確かにそこにはあった。
何も無い、と考える"自分"があった。
始め、何も無い、と考えていた。
そして、何かあれば、とも考えていた。
しかし何があれば良いのかわからない。あれば良いのかわからないが、"自分"はあっても良いのだろうか?
ある、ということはあっても良いものなのだろう。
ならば、もう一つ自分があっても良い筈だと思った。
するとどういうことなのか、もう一つ「自分」が出来上がったのだ。
その「自分」は、"自分"と同じ考えを持っていて、何があれば良いのか、と考えている。
そんな「自分」と供に考えられないか、と、"自分"は思った。
すると、「自分」の考えていることが手に取るようにわかるようになったのだ。
どうやら、"自分"が「思う」と、思ったとおりのことになるらしい。
そう解った"自分"と「自分」は、少しずつ思うことにより、色んな物、音、空間の存在を創っていくのである。
こうして、世界は始まった。